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3.家族のケア
家族の構成員が病気になり終末期にあるとき、このことが他の家族に与える影響は多大である。また、家族のあり方が患者に与える影響も大きい。いずれにしても終末期のケアにおいて家族を抜きに進めることはできない。
Geraldine Tan先生は、不安や苦しみの中にいる患者にとって家族が側にいてくれることがいかに大きな支えとなるかを症例を通して説明し、介護者としての家族の役割の大きさを話された。また、家族間に亀裂が生じていた症例について、その関係を修復するために介入、支援した実際についても紹介された。
オーストラリアの心理学者でありカウンセラーのMargaret Colvin先生は、介護者としての家族の力が発揮されるためのアプローチとして、まず家族を理解することが大事であると述べられた。家族アセスメントの指針として以下の点があげられた。
?家族の構造
?家族構成員の役割
?ストレス下での変化
?役割の柔軟性・重複・共有・葛藤などの有無
?家族の価値観
?コミュニケーションパターン
?家族の歴史(過去の喪失や危機の体験、家族としての発達段階など)等々
以上を評価しながら家族の危機状態を乗り越え

 

 

 

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